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リバネスの人

ひとりひとりが研究テーマを抱ける社会を創造するひと

中嶋 翔太(なかしま しょうた)
修士(工学)
専門分野:電気化学、無機化学

「いい感じのおニイちゃん」という雰囲気は、子供たちの人気に拍車をかける。その一方で、真面目で努力家の一面もある中島 翔太(なかしま しょうた)さんは今、大阪事業所で様々な取り組みにチャレンジしている。今回はそんな中島さんにインタビューしてみた。

(聴き手:佐野 卓郎)

佐野:インターンシップに参加していましたよね?

中島:はい、半年間くらいやっていました。

佐野:ズバリ聞きますが、なぜ、リバネスに来たのでしょうか?

中島:修士課程在学中に、ほかのIT系ベンチャー企業でインターンをやっていました。そこで、新規事業を考える機会を頂いたんです。どんな提案でもよいというので、理系の大学院生向けサービスを考えようと調べていたところ、リバネスを見つけました。早速話を聞きたいと思い、電話で斎藤さんにアポイントメントを取って。ちょうど就活中だったこともあり、話を聞いてリバネスに興味をもち、リバネスのインターンシップにも参加してみることにしました。

佐野:確か、他の会社に内定していましたよね?

中島:実はそうなんです。(インターンをしたところとは別の)ITベンチャー企業だったんですけどね。そこには教育事業がなくて。私は当時から教育に興味があったのでリバネスに参加することにしました。

佐野:なぜ、教育に興味があるのでしょうか?

中島:中高校生のとき、テスト1週間前や前日などに、テストのために「覚える」という作業がありますよね。点が取れれば嬉しいので、頑張っていたんですけど、でもずっとやっていたら、疲れて疑問に思い始めたんです。「なぜ、こんな勉強をするんだろう」って。勉強自体は、まぁ少しは将来のためになるかもしれない。いい大学に入るのにも必要ですからね。でも楽しくはなかったんです。

佐野:確かに暗記するだけの勉強って辛いですよね。私も経験があります。

中島:ただ一方で、研究はとても楽しいですよね。私は、大学院に入るまで研究というものを理解していませんでした。私自身、まったく新しい発見をしてとてもワクワクしたんです。研究をやるためには、これまでの勉強がとても大事だということも理解しました。
誰も知らないことを研究していく文化を教育に浸透できれば、勉強の必要性や重要性がわかるのではないか。そうすれば、勉強自体も面白くなるし、自ら学ぼうとする力が湧いてくるのではと思うようになりました。

佐野:中島さん自身は研究が好きみたいですが、アカデミアで研究者をやろうとは思わなかったのでしょうか?

中島:私には、ある特定の分野を深く追求するというよりも、広く色々なことを扱ってみたいという考えがありました。それに、私自身は結構、人が好きなんだと思います。「人が喜ぶと自分も嬉しい」みたいなところがあるんです。研究室の合宿を企画したり、紹介ムービーを作ってみたり。それを通して人がハッピーになっていく。そういう実感が得られると私も「楽しい」と感じるんです。だから、人の心や気持ちをハッピーにして笑顔にさせる仕事がしたかったんです。

佐野:インターンシップでは、やはり実験教室を中心に活動していたんでしょうか?

中島:はい。でも、実際やってみると上手くいかないものですね。子供たちとのコミュニケーションの仕方がよくわからなかったんです。子供たちがどこに興味をもつのかもまったく分かりませんでしたし。だから、最初の頃はすごくおどおどしていたと思います。ティーチングアシスタント(TA)は、生徒の各班ごとに担当がいてコミュニケーションするわけですが、まずは、生徒が笑うような話をして、それから科学の話に入る。そんなテクニックみたいなものを自分なりに身につけてきました。

佐野:よく、机に伏せて、話も聞かないような生徒さんもいるでしょ?

中島:まずは声をかけるようにしています。それでもダメなことが多いですけどね。でも、あるタイミングで笑ったりする瞬間があるんです。その瞬間を逃さず、声をかけるようなことをしています。

佐野:最終的には内定先を断って、リバネスに入社しましたよね?それで良かったのでしょうか?

中島:それで良かったと考える理由は2つあります。
1つは、リバネスは、利益なんかじゃなくて、私が一番大事と考えている理念みたいな部分を重視している点です。多くの企業がどうしても売上や利益を重視しがちですよね。でも、そうじゃない。リバネスは理念がしっかりしているように思いました。だからこそ、お金になりにくい教育事業を設立当初からやっているわけです。ぼくもそうあるべきだと、直感的に感じました。
2つめは、インターンをしていたときに、社員の武田さん藤田さんたちがすごく親身に私のキャリアを考えてくれていたことです。決して入社させようと作為的にやるわけではなく、リバネスに入社しなかったとしても、その人自身のためになる方策を考えてくれていたんです。

佐野:入社してからは、どんな仕事をしましたか?

中島:1年目では、色々なことをやらせてもらいましたが、入社してからも実験教室は続けていました。特に企業とコラボレーションした実験教室プロジェクトでは、単なる教育的な視点から脱却することができて、多くのことを学ばせていただきました。
その後、2年目からは大阪事業所に異動しました。そこで、これまでの「リバネス研究費」には無かった人文社会科学系研究者のための研究費を実施しました。教育の仕方、進め方に科学的な知見を導入しようとする研究者と、現場をつなげるようなテーマのための研究費です。
これまで学校の先生と話す中で、経験や勘で授業をしていたことを知りました。成績もとにかく補習をすることで上げていたんです。教育にも科学的な知見が入ればきっと良くなるだろうと考えていました。研究者が教育の現場に入り、先生方と議論をすれば、先生方も研究的思考を学べるだろうし、一方で、研究者もリアルな現場の状況を考えていくことができるはずだと考えました。

佐野:実際にやってみてどうでしたか?

中島:違う立場の人同士が学び合うことは、研究者にも、先生方にとっても視野の広がる良い機会になったと思います。当初、学校の先生方には研究者に対する勘違いがあったように感じます。現場と乖離したことを研究しているんじゃないかって。でも、教育をより良くしたいと思っているパッションをもった研究者もいっぱいいるんです。先生方も感銘を受けていました。
また、そうした先生方の中からは、自分の学校だけじゃなくて、ほかの学校も視野に入れて、教育全体を変えていくようなビジョンを考え出す先生も出てきたりしました。私自身も本当に多くのことを学ばせて頂きました。

佐野:教育以外の取り組みには参画していますか?

中島:最近では、リアルテック系シードアクセラレーションプログラム「TECH PLANTER(テックプランター)」などにも関わるようになりました。研究者・技術者、ベンチャーが参加し、さらには大企業や町工場など集まるこのプロジェクトも、人を動機付けるという意味では次世代教育と共通点があると思いました。

佐野:中島さんは、今後はどのようなことを仕掛けたいですか?

中島:私は、研究の面白さを伝え、皆が自分なりの研究テーマを抱けるような社会を目指したいと考えています。
以前、ロボット開発のための中高生向け研究費をやったことがあります。採択者には、単にお金を渡すだけでなく、メンタリングも行うというものでした。もともと技術的な知識なんか持ち合わせていない中高生が、課題をもってどんどんと学びながら研究を進めていくんです。初心者にも関わらず、最後にはロボットを完成させることができました。自分たちで課題をもって自分たちが自律的に動き出す。そこに、サポーターとなるリバネスが関わることで、さらに加速するんです。
大人にしてみても同じことでしょう。課題を抱き、研究の如く学び、発見を得ながら活動していく。もし大人が各々に自身の研究テーマを持てるならば、それをサポートし加速していくことで、もっともっと活躍する人が増えるに違いないと考えています。

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